普段何気なく生活していく中で、自分はこれが得意だあれが得意だと意識して生活している人はそこまで多くないでしょう。
しかし、面接などの人生の節目節目で自分の得意なことは何か、と聞かれることも多いのではないのでしょうか。
この記事では自分の得意なことがわからないという人のために自分の得意なことを探す方法をご紹介します。
得意とは
得意なことを見つける方法をご紹介する前に、そもそも得意という言葉の正確な意味をご存知でしょうか。
辞書で意味を検索してみると、下記のような意味が出てきます。
得意(とくい)
1 自分の思いどおりになって満足していること。
2 誇らしげなこと。また、そのさま。「―な顔」「―になる」
3 最も手なれていて自信があり、じょうずであること。また、そのさま。得手 (えて) 。
引用元:goo辞書より(https://dictionary.goo.ne.jp/jn/157848/meaning/m0u/)
この中でいうと、「最も手なれていて自信があり、じょうずであること」が今回の得意なことの意味合いに近そうです。
また、「得意」という単語を英訳してみると、「specialty」という単語にあたり、「専門性の高い」「熟練した」などの意味合いにあたるため、得意なこととは何かしらの分野において手慣れていて自信があって上手なことと定義できます。
得意なことは具体的にどんなこと?
上記で得意なことは、何かしらの分野において手慣れていて自信があって上手なことであるとしました。
では具体的に得意なこととはどんなことなのでしょうか?
何かしらの分野において、手慣れているということはその作業に労力や時間はあまりかからないはずです。
また、自信があるということは周囲にはできないこと、あるいは周囲以上にスキルがあることを持つということです。
例えば、あなたが算数の成績が良く、他の生徒に教えるのもそれほど苦じゃないとしましょう。
算数を教えるのもとても楽なのに、他の生徒ひいては生徒の親まで感謝してくれます。
そこであなたは気付きます、自分は算数が得意なのだ、と。
上記を総合して考えると、労力の割に周りがありがたいと言ってくれることが得意なことだといえるでしょう。
任天堂の岩田前社長も上記の格言を残されており注目を集めましたが、かなり本質に近い定義ではないかと思います。
得意なことと好きなことは別物
よく混同されがちなのが、「得意なこと」と「好きなこと」です。
確かに相関性のあるカテゴリーですがここではそれぞれの違いを明確にしていきます。
得意なこととは、その労力の割に周囲が喜んでくれることだと定義しました。
一方、好きなこととは自分がやっていて心地のいいことです。相手がありがたがってくれるか、そうでないかというのは全く関係のないことです。
得意なこと
得意なこととは、先ほどの例で言うならば算数を教えることにあたります。
特に算数が好きでもないけれど、その労力の割にみんながありがたがってくれることがこのグループに属します。
好きなこと
好きだけれどもこれといって誰かにありがたがられたり、自分の努力の割に成果が得られたりしないものがこのグループに属します。
例えばカラオケで歌を歌うことは好きだけれども、特にすごいと褒めてもらえたりはしないようなことを指します。
得意なことかつ好きなこと
このグループは図の中心の得意なことと、好きなことが混ざり合ってるところにあたります。
自分がやっていて心地よく感じる、かつその労力の割に周囲がありがたがってくれることです。
例えば、あなたが料理が好きで毎日練習していたとしましょう。
いつしか友達にもその料理を振る舞うようになりこんな料理が作れるのはすごい、自分にはできないとありがたがられるとしたらそれはこのグループに属します。
得意なことかつ好きなことであることが、得意なことであるのが理想です。
では、どうすればそれを実現できるのか。
得意なことかつ好きなことが実現するためには2パターン存在します。
得意なことが好きなことに変わるパターン
まずは得意なことが好きなことに変化するパターンがあります。
具体例を挙げると、あなたが算数はそれほど好きでもないけれど、他の生徒に算数を教えることが上手でみんなにありがたがられることが多くなったとしましょう。
そうなると、悪い気はしないはずです。ありがとうと言ってもらえるのが嬉しくて次はこう教えよう、ちょっとこう趣向を凝らそうとだんだん算数を教えることが好きになってくるかもしれません。
このパターンが、得意なことが好きなことに変わるパターンです。
好きなことが得意なことに変わるパターン
一方で、好きなことが得意なことに変化するパターンも存在します。
具体例を挙げて説明しましょう。
例えば、あなたは料理が好きで料理の本を参考にして、毎日見よう見まねで料理を継続していたとします。
はじめは全然上手く作れずなかったですが、時を経るにつれて徐々に腕が上達してきました。
そこで、友人を招いて夕食会を開き自分の料理を振る舞ったところ大盛況で皆が美味しかった、ありがとうと喜んでくれています。
このパターンが、好きなことが得意になるパターンです。
さて、得意なことに関するお話をしてきましたが頭の中は整理できましたでしょうか?
次はいよいよ得意なことを見つけるための方法を具体的にご紹介していきます。
得意なことを見つける方法
得意なことを見つけるために必要なものは、それほど多くありません。
一枚の大きな紙とペン、そして自分の過去と向き合うちょっとした覚悟のみです。
では順を追って説明していきましょう。
一枚の大きな紙とペンを用意
まずは一枚の大きな紙とペンを用意しましょう。
そして、紙の下の方に横長の一本線を引きそれを人生の時間軸とします。
次にその時間軸にそれぞれ人生のステージを書き込んでいきます。
▼下記が得意なことを見つけるフォーマットのイメージです
綺麗に書く必要はありません。
あくまで得意なことを見つけるための手段なので、少々線が曲がってても問題ありません。
過去を振り返ってみる
下準備が完了したら、過去を振り返ってみましょう。
この際、ただ振り返るのではなく得意なことと好きなことを意識して振り返りましょう。
具体的には、下記の項目を中心に振り返りましょう。
・褒められて嬉しかったこと
・自分が能力を使って感謝されたこと
・嫌嫌続けているうちに周りの人よりも自信をもって取り組めるようになったこと
・自分ができて、周囲にできないこと
・自分では大したことはしていないのにとても大きな成果を出したこと
上記を振り返った時に出てきたものが、得意なことです。
また、一方で好きなことも振り返っておきましょう。
というのも、好きなことが得意なことに変化する可能性も大いにあるので念のため書き出しておきます。
好きなことを振り返るコツは
・長い期間、夢中になれたこと
・飽きないこと
・一日中やれと言われても苦にならないこと
上記の項目を意識すると良いでしょう。
得意なことと好きなことを全て書き出す
過去を振り返ることが完了すれば、いよいよ書きなぐって行きましょう。
自分は昔はこんなことが得意だったんだ、こんなことずっと続けていたんだ、などということが思い出されたことかと思います。
できる限り思い当たる節があることはすべて書き出しましょう。
具体的な言葉に落とせないものは単語だけでも結構ですが、後から見返して自分が理解できる内容で記載しましょう。
項目を選別する
ここまでくれば、「労力の割に周囲にありがたがられたこと」を抜き出していきましょう。
それがあなたの得意なこと、そして好きなことの集合です。
※後で見やすいように赤ペンで囲って強調すると見やすいです。
もしも、「労力の割に周囲にありがたがられたこと」が定義として少しわかりにくい場合は、友人を10人思い浮かべてその友人の誰よりも自分が秀でていると思えることを抜き出しましょう。
そうすれば、具体的に情景も浮かびやすいので作業が進みやすいはずです。
上記を実践すると結果的に、得意なことの欄そして好きなことの欄にも赤い強調が入っているでしょう。
もしこの中でひとつだけ選ぶとするならば、好きなことに属しつつ、かつ得意であることです。
▼先ほどのフォーマット
というのも、好きでもないけど得意だから続けていることよりも、好きだから続けているうちに得意になったことの方がやっていて人生が充実する可能性が高いからです。
しかし、現実には好きなことと得意なことを両立できる人は本当に一握りな人のみです。
ですので、得意なことは
・特に好きでもないけど得意であること
・好きでありかつ得意なこと
の2つを持っておきうまく使い分けるようにしましょう。
書きなぐった言葉をわかりやすく変換する
得意なことを洗い出せた!というあなたは最後にしっかりと言語化しましょう。
きっと自分にしかわからない意味の言葉がフォーマットには蔓延っているはずです。
ですので、「音楽を奏でる」等の言葉であれば具体的に楽器名や楽曲などまで落とし込んで「得意なことはピアノ演奏をすること、得意な曲はショパンの英雄」と細かいところまで落とし込んでおきましょう。
そうすることにより、自分の得意なことを言語化してストックできるため、自分のアイデンティティの再確認にも役立ちます。